『ライジング・サン』
f0018981_22382858.jpg 『ケンペーくん』を紹介したのだから、立て続けに漫画を紹介しよう。今回紹介するのは、ある種『ケンペーくん』よりもマイナーな作品になるかもしれない。

 この『ライジング・サン』は、原作が『北斗の拳』で知られる武論尊氏であり、漫画を松浦聡彦氏が書いたにもかかわらず、少年サンデーの連載は、コミックス三巻分で打ち切りになってしまった。

 というのも、連載開始が平成十三年。アメリカ帝国主義の中枢に鉄槌が下された年である。この事件により、日本の映画やドラマ、漫画作品から爆発シーンが削られたのは有名な話だが、この『ライジング・サン』の第二話は、主人公の父親が戦闘機でホワイトハウスに特攻を果たすというものだ。

 しかも、「ふるさと」を歌いながら、「陽は、また昇るっ!!!」と叫んで突入するのだ。これに震えぬ日本人がいないものか。僕も本屋で少年サンデーを立ち読みして、これを見た時の感激といったら、形容しがたいものがある。

 しかし、残念なことに、このシーンが問題となり、単行本の出版が延期され、連載が打ち切られてから、ひっそりと出版されただけだった。しかも、連載内容も徐々に支離滅裂の度合いを強めながら…

 さてさて、物語の中身を少し紹介しよう。時に西暦2025年、新世紀初頭に経済崩壊した日本は世界の最貧国となり、世界中のゴミや使用済み核燃料を受け入れることで生きて行く国となってしまった。

 日本がそれまで持っていた技術と権利は全て諸外国に奪われ、海外に逃亡を図る日本人にはチップが埋め込まれ、アメリカを中心とする国連治安維持軍の統治下におかれ、主人公達はアメリカと、その傀儡の日本政府に対して、日本の未来を賭けたケンカを始めていく…

 基調となっているのは、人間の尊厳であり、民族の誇りだ。誠に惜しいのは、前にも書いた様に、ストーリーの展開が安直で早くなってしまった点だ。そして少年誌にありがちなように、戦いの描写が主になり、根本の精神が影を潜めてしまいがちな所だろう。作者達が腰を据えてじっくりと書いていたら、近未来を舞台にした、反米愛国の偉大な民族の叙事詩になっていたかもしれない。

f0018981_132743.gif陽は、また昇るっ!!!応援のクリックを!!!
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by shikisima594 | 2006-03-16 23:36 | 読書録
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