『稼ぐが勝ち』
f0018981_21252761.jpgいつもは好きな本やお勧めの本を紹介するのだが、今回はいつもと百八十度趣向を変えて、その反対の本について書いてみる。プロ野球の球団経営に名乗りを上げたり、フジテレビを買収しようとしたり、衆議院選に立候補したりして常に世間の話題をさらってきた、ホリエモンことライブドア社長の堀江貴文の『稼ぐが勝ち』(光文社刊)。あまりにもストレートな書名なので、内容は推して知るべしだが、実際に読んでみるとスゴイ。

「人の心はお金で買える」「金を持っているやつが偉い」「人間を動かすのは金」など、かつて色々な大富豪や経営者が、思っていたとしても決して口にしてこなかった文句を滔々と披露している。通常の人間には恥や謙遜という観念があるが、堀江は、自らを拝金主義の権化に堕して恥じようとしない。これがこの男の恐ろしい所であろう。

特に驚いたのは「(大東亜戦争直後に)それまでの社会を牛耳っていた連中は、みんな殺されてしまったわけです。敗戦後、東京裁判でA級戦犯、B級戦犯になった人たちは文字通りドーンと処刑された。(中略)いってみれば社会をリセットするために殺されているのです。この世から消されてしまうのですから、強制的にリセットされるわけですね。乱暴な言い方かもしれませんが、そういうふうに定期的に社会の膿を出していくことは、僕は必要ではないかと思っています。」
つまり、大東亜戦争後の悪名高い極東軍事裁判をはじめ、日本軍が降伏した海外各地で、占領軍に裁判と言う名で虐殺された先人達は、社会の膿であり、殺される必要があったと言っているのである。その歴史認識と倫理観には呆然とさせられる。

更に、「日本という国も、将来ずっと存在しているかどうかわかりません」などと書いているが、確かに堀江のような人間が今後も増え続ければ、日本の存続は危ぶまれてならない。

事実、堀江は自由主義・資本主義社会の発展の結果として「日本の中に二つの国ができる」と言っている。「経済的な格差は広がっていき、国内に二つの国が存在するような経済状況が生まれてくるのではないでしょうか。いまのアメリカはその近くまで行っています。多くの人はそれを暗い未来としてとらえているようですが、僕はそれは必然であるし、そうなっても別に構わないと思っています。」

これは共産主義者の言うところの「ブルジョア階級=資本家階級」と「プロレタリア階級=労働者階級」に二局分化した階級社会の事ではないのか。堀江は、国家社会の二極分化=階級社会の形勢が必然であると言っているが、その階級化された社会がどのような“歴史の必然”を辿る事になるのか想像力が働かないのか。抑圧されしプロレタリア階級による維新革命が起き、その時、堀江は「社会の膿」として、この世から消されてしまうだろう。

日本を愛する心ある国民よ!
旧態依然として共産主義者を批判攻撃するだけでは、日本を護る事は出来なくなっている。
共産主義の母である資本主義体制と、拝金主義に批判の矛先を向けよ!
六本木に聳え立つバベルの塔、六本木ヒルズを打ち砕け!

皇国史観研究会代表 タカユキ

f0018981_1119310.jpg

[PR]
by shikisima594 | 2005-12-22 11:21 | 読書録
<< 天長節の一般参賀 『藤田東湖の生涯』 >>