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自衛隊体験入隊記
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 「ここでは、おまえらは家畜虫けら!教官の命令には絶対服従。分かったか!」
今から二年前の平成十六年十一月二十七日九時五分、陸上自衛隊●●駐屯地。皇国史観研究会先輩の紹介で参加した陸上自衛隊体験入隊で自分は、それまで空気のように当たり前に存在していた「人権」という概念が存在しない空間に迷い込み、酸欠のような目眩を覚えた。

 そもそも、先輩からは「ラクだぞ、楽しいぞ」と言われ、二つ返事で参加を決めた。しかし、というべきか、当然というべきか、初っ端から聞いていた話しと明らかに違う。こうして自分の二日間におよぶ波乱の自衛隊体験入隊が始まった。

 呆然とする間もなく急いで戦闘服に着替えさせられる。早速ボタンや名札の掛け方、着替える時間について教官から怒号が飛ぶ。宿舎に荷物を置いて昼食を食べる。ここでも箸の置き方から飯の食い方に至るまで教官から指導される。食い終わるとすぐに訓練が始められた。

 まず鉄線の下を何度も匍匐前進。少しでも頭が高ければ教官から怒鳴られ小突かれる。頭を地面に擦り付けながら必死に手で土と草を掴みながら進んだ。砂を噛みながら「体験入隊はラクで楽しいぞ」と言って自分を体験入隊に誘った知人の言葉を頭の中で怨めしく反芻させた。

 しかし、匍匐前進が終わる頃にはそんな余裕は無くなっていた。続々と行われる厳しい訓練で頭の中には訓練を無事遂行させることしか考えられなくなっていた。

 斜めに張られたロープをよじのぼる訓練では「これはおまえらの愛国心のバロメーターだ。渡りきれて100%だ」と言われ奮起してやってみるが皆次々に落ちてしまい教官から「密入国した支那人の方が日本に愛着があるぞ!貴様らはそんな体たらくで天下国家を論ずるな!」と言われ、黙ったまま拳を握りしめようとするが、そんな力も残っていない自分が更に情けなく、日頃から、一旦緩急あれば国のために戦うと何の実力も無く言っていた自分が恥ずかしかった。

 日も沈み屋外での訓練は終了し、夕食を食ってから入浴。そして徒手格闘の訓練をする。これは型だけをやるのではなく、防具を付けて実際に殴り合うものだった。これで初日の訓練は終わった。この間、常に教官から行動に要する時間を厳密に設定させられ、少しでも遅れると腕の感覚が薄れるまで腕立て伏せをさせられた。

 その後、教官と一時間にわたり勉強会の場が持たれたが、講師(?)となった教官の話は極めて勉強になるものだった。我々日本人の命を賭けて護るべきものが何であるのかを直指され、非常な感銘を受けた。我々日本人の命を賭けて護るべきものは萬世一系の皇統を戴いた國體である、と。

 さらに昭和天皇の御巡幸の話を聞き、思わず頬を涙がつたった。おそらくこの話を聞かなかったら翌日の訓練には保たなかったと思う。天皇陛下は広大無辺な無私の大御心で国民を慈しまれている。自分一人の筋肉痛や矮小な誇りがどうしたというのだ。

 自衛隊が決してレスキュー隊の亜種でも武力に当たらない存在でもないことをしみじみと痛感し、頭の中に昼間の教官の放送禁止用語の罵声が木霊しながら就寝する。

 翌日は朝六時半に起床。すぐに何十キロとある背嚢を背負い、担架に人を乗せて四人で担いで運ぶ訓練をする。二十歩も歩かないうちにバタバタと倒れ、一人で立ち上がれない者が続出する。「そんなことで同胞の命を救えるか!」と教官から叱られる。昔の日本陸軍はこれよりも重い背嚢で一日何十キロも行軍したというのだから、まさに“父よあなたは強かった”である。

 何度も転び、何度も立ち上がり、声が枯れるくらい仲間を励まし、なんとか目的地に着き任務を達成し、教官から「この重さが任務の重さだ」と言われた時、目頭が熱くなるのを感じた。それから三、四階建ての建物に相当する高さからの降下訓練をして、訓練は終わった。初日に目眩を覚えたときからは想像もつかないような爽快感と達成感を感じ、自分でも少し驚いた。

 体験入隊を終えて自分が感じたのは、自分の未熟さと国防の重さであり、人間は自分一人だけで存在し得ないということであり、極限の状態におかれると人間の本性が美しいところも醜いところも曝け出されてしまうということである。

 人を知るには一緒に茶を飲むよりも一緒に酒を飲む方がよいと言われるが、自分は人を知るには酒を飲むよりも軍隊で一緒に泥水を飲む方がよいと思う。何もかもが弛緩した戦後日本で、わずかの体験入隊参加費で汗と涙と血を流せて、“戦友”ができたのは非常に得難く、素晴らしい体験だった。翌日の全身の筋肉痛すらも少し誇らしかった。

 この拙い文を読んでいる貴方も是非自衛隊体験入隊へ!

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by shikisima594 | 2006-04-21 02:27 | 活動報告
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