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ぶっちゃけ…
「ぶっちゃけさぁ、あの授業だるくね?」
 学食で飯を食っていたら聞こえて来た会話。喫茶店で茶をすすっていても、駅前で待ち合わせをしていても、居酒屋にいても、定食屋にいても、近くに若者が二人いれば大体「ぶっちゃけ」と冠した会話が聞こえてくる。そういう僕自身も若者なわけだが。

 この「ぶっちゃけ」というのは、「正直に言うと」「はっきり言うと」といった意味がある。ところがだ、その内容はというと、どうでもいいような内容ばかりに聞こえるのは気のせいだろうか、冒頭に紹介した、つまらない授業にしても、あの女優が可愛いかブスか、あの番組が面白いか面白くないか、バイトがだるいか楽しいか、そんなことばっかりだ。

 どうせ耳に入る会話ならば面白い話がいい。しかも「ぶっちゃけ」と冠するならば、コペルニクス的転回のある話がいい。今の日本は内外に問題が山積している事は、このブログをご覧になっている人ならば十分ご承知だと思うが、そうした社会問題に対する言及がないのだ。

 「ぶっちゃけさぁ、金正日ってムカつかね?」「ぶっちゃけ、韓国の竹島に対するやり方って泥棒だろ?」「ぶっちゃけ、アメリカってジャイアンだろ?」という会話は聞こえてこない。別にそんな皇国史観的会話でなくても、「ぶっちゃけ、俺は人生はこうだと思う」「ぶっちゃけ、俺は人間の存在ってこうだと思う」と言った会話も尚更聞こえてこない。

 それは今の若者が「ぶっちゃける物」を内面から喪失してしまった事に起因するのではないか。もしくは「ぶっちゃける」相手に足る友人を得られていなのではないか。後者だと思う方は今すぐ皇国史観研究会に入会の申し込みを!

 しかし、先日、機会あって先の大東亜戦争に散って行かれた若き英霊達の遺書を拝読していた。皆若い。僕と同い年どころか、年下だった方もいる。そして一様に遺書で自分の思いを流麗な国語で綴っている。この国と我々子孫達、自分の家族や友人達への思い。まさに一世一代を賭けた魂から語った言葉だ。今風に言えば「ぶっちゃけ」と言えなくもないかもしれない。

 また、彼らは、そのぶっちゃけるべき言葉と、相手を持っていた。その点からすれば、彼らは今の若者の何倍も幸せだったように思える。我々も真摯な思いでぶっちゃけるに足りる言葉と、友人を得たいものだと考えてしまった。

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by shikisima594 | 2006-05-09 00:02 | 随想・雑記
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