『ライト・イズ・ライト』
小説をめったに読まない自分が、中学生の頃から、本の背表紙が変色するぐらい読み耽った作家がいる。今年の九月七日に自決された見沢知廉氏だ。まだ、四十六歳だったという。その死が実に惜しまれてならない。
見沢氏の処女作は『 天皇ごっこ』(新潮文庫)だが、この作品は監獄、右翼、新左翼、精神病院、北朝鮮という非日常のフィルターを通して、 天皇とは何かを描こうとした異色作品である。しかも、これらの非日常の世界は、全て見沢氏の体験に由来しているのだから凄い。見沢氏は高校時代から暴走族に入り、その後、新左翼の活動家になるが、故あって新右翼の活動家となり、スパイ粛清事件を行い、懲役十二年。獄中で新日本文学賞を受賞。

さて、この『ライト・イズ・ライト』(作品社)は、見沢氏の遺作となってしまった作品だ。西暦80年代の東京を舞台に政治思想運動に身を投ずる若者達の青春群像といったところか。所々に弊会の青春群像(?)と通じる物があるような気もする。
主人公達は所謂「右翼」と呼ばれる青年達であり、一般人の読者からすれば違和感を感じるかも知れないが、恋愛あり、悩みあり、情熱あり、機動隊とぶつかり、極左と対峙し、テロをやる。この人間模様は息つく暇もなく読む者を惹き付ける。とにかく楽しい。本を読むのが遅い自分も僅か一日で読破してしまった。あぁ、俺もこんな青春を送りたかった!

http://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/book/nihon-bun/tanpin/20103.htm
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by shikisima594 | 2005-12-26 22:53 | 読書録
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