『大義 杉本五郎中佐遺著』
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以前に都内の民族派学生達と靖国神社に集って、酒を酌み交わしつつ憂国談義をしていた。「あの本が日本人の0.001%にでも読まれれば日本は変わるよなぁ」と誰かが言い、聞いていた皆も、その意見に同意した。「あの本」とは、この『大義 杉本五郎中佐遺著』である。

「汝、吾を見んと要せば、尊皇に生きよ、尊皇精神ある処、常に我在り」
また曰く
「 天皇は 天照大御神と同一身にましまし、宇宙最高の唯一神、宇宙統治の最高神。国憲・国法・宗教・道徳・学問・芸術乃至凡百の諸道悉皆 天皇に帰一せしむるための方便門なり。即ち 天皇は絶対にましまし、自己は無なりの自覚に到らしむるもの、諸道諸学の最大使命なり。無なるが故に、宇宙悉く 天皇の顕現にして、大にしては上三十三天、下奈落の極底を貫き、横に尽十方に亘る姿となり、小にしては、森羅万象 天皇の御姿ならざるはなく、垣根に集く虫の音も、そよと吹く春の小風も皆 天皇の顕現ならざるなし。釈迦を信じ、「キリスト」を仰ぎ、孔子を尊ぶの迂愚を止めよ。宇宙一神、最高の真理具現者 天皇を仰信せよ。万古 天皇を仰げ。」

これは一体何だ?と読んだ人は思うことだろう。サヨクなどは此の文章を見た瞬間に口汚く散々罵詈雑言を喚くか、それとも、あまりの衝撃に泡を吹いて失神してしまうかもしれない。正直言うと僕も高校二年生の時に初めてこの文章に接し、雷に撃たれたかのような衝撃だった。

この文章の筆者は、支那事変で昭和十二年に戦死した広島出身の軍神杉本五郎中佐である。杉本中佐は内地で部下を教育にあたったり、支那戦線の戦陣で一時の時間を見つけては上記のような文章を自分の子供達への遺書として、また兵卒の訓育資料として書き貯めていた。

杉本中佐の戦死の翌年、この文章が『大義 杉本五郎中佐遺著』として平凡社から刊行され、青年や若者から熱狂的な支持を得て、終戦までに百二十万部を超える超ベストセラーとなった。
ちなみに最近の百万部を超えるベストセラーは『電車男』だが、当時の出版事情と人口に鑑み、百二十万部超は凄い。

何故、売れたか、それは読んだ者にしか分からないだろうが、とにかく凄い本である。
理解するとか、読み解くというよりも、むしろ感じると言うべきか、頭で読むというよりも、魂で読む本である。著者杉本五郎中佐の燃え滾る様な熱い 尊皇精神が行間頁間に満ち満ちて居る。中佐は「 天皇」と書く際には必ず一つ字間を空けている。これは中佐の 尊皇精神のあらわれであり、回天の黒木博司少佐や藤田東湖も実践されていたという。もちろん僕も中佐に習って「 天皇」と記す際は一つ字間を空けている。

大学入学と同時に、僕は『大義』の写しを皇国史観研究会の仲間や、他の団体の同志達に配布してきたが、皆一様に興奮して、凄く面白い本であると感想を寄せてくれた。文章は一貫して正字体正仮名遣ひで、文語調で書かれているため、当時としても容易に読めたものではなかったそうだが、ましてや現代っ子の僕には読めない漢字や意味が分からない言葉も多い。しかし、何故だかそれでも伝わってくるのである。
中佐の凄まじいまでの 尊皇精神が悠久の時を超え、戦後の今に生きる僕に「 尊皇に生きよ!」と叫びかけて来るかのようだ。

この本を読んでからというもの、『正論』『諸君!』などに書いている先生方の文章が近代的な浅薄さに覆われているかの様に、急に色褪せて見えた。
『大義』は理論理屈の書ではなく、まさに信仰と信念の書であり、日本精神の結晶と言っても過言ではない書であろう。
この書に突き動かされ、幾多の青年達が皇国の守りの為に戦場に赴いて行ったのだろう。それだけの力がこの書には込められている。

中佐の最期は、敵陣に斬り込み、敵数人を斬り伏せた処で敵弾にあたり、軍刀を左手に持ち替えて遥か東方の皇居に正対し、敬礼し立ったまま戦死するという神々しいものであった。まさに死生一貫 尊皇を貫き通した純粋至誠の軍神である。

戦後はこの『大義』も日陰者の様な扱いを受け、今やネットの古本屋で全国に数冊程度しか出回っていないという現状で、杉本五郎中佐を知っている人も皆無に近いくらいになったが、不思議な縁で僕は『大義』を知り、今のようになった。
この軍神杉本五郎中佐の『大義』こそ、今の僕がある原点の一つであり、それと同じように過去にこの本とであった人々にも何らかの原点となった本であろう。今年は皇国史観研究会で、この『大義』を復刊して、広く世に知らしめて、維新の大きな一里塚を築きたいものである。

f0018981_0453774.jpg広島市佐伯区の光禅寺に佇む杉本五郎中佐を顕彰する尊皇碑
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by shikisima594 | 2006-01-05 00:51 | 読書録
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