『Zの研究』
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 昨日のJR東日本に巣食う妖怪たちって記事の中で、この本の名前を出したのだから間を置かずに紹介しようと思う。出版社は保守系の月曜評論社で、著者はジャーナリストの野村旗守氏。そんで「Z」というのは革マル派(日本革命的共産主義者同盟)に他ならない。

 なんで「Z」かというと、この本の表紙にもあるように、革マル派のヘルメットに「Z」って書かれていることに由来する。で、この「Z」っていうのは「全日本学生自治会総連合」(Zengakuren)から取られている。このことから分かるように、彼らは昭和30年代から40年代にかけての学園紛争の時代に大学生活を送った者が母体となっている。

 まぁ今や本物の大学生の数は少なくなって来ているみたいだが……
今から三年前の平成15年5月14日、早稲田大学で拉致議連の平沢勝栄議員、横田めぐみさんの弟の横田拓也氏、テリー伊藤氏らを招いて拉致問題を考える集会が開かれて、国士舘大学から皇国史観研究会や武道系サークル、応援団が警備として参加して来た。

 この時のことを革マル派系の早稲田大学新聞が「会場警備として国士舘大学の体育会系学生がにらみをきかせるなど、物々しいムードにつつまれた。」と書いているから何だか笑ってしまう。このとき、会場の外から革マル派学生が「国士舘の黒塗り右翼学生を粉砕するぞぉ〜」とシツコくシュプレヒコールを上げるので蛇腹を着た国士舘の学生達が外に出て対峙した。

 いや、対峙というよりも、こっちが外に姿を出した途端に「粉砕するぞぉ〜」と言いながらどっかに消えていった。えぇっ、これが昔の火炎瓶を投げてた過激派学生!?と少し驚いてしまった。それが自分がはじめて見聞した革マル派というものだった。

 さて、前置きが長くなったが、革マル派はこんなにお茶目な存在なのかというと、そうではない。それはこの本を読んでもらえればわかる。

 私がこの本の構想を思い立ったのはここ一〜二年のあいだに、公安関係者のあいだで囁かれているある言葉を、何度となく耳にしたからだった。
「オウムの次はZ——」
 その響きにはある種の確信がこもってさえいた。
 オウムの次に暴発する可能性を秘めた偏狭な思想集団があるとすれば、それは革マル以外ありえない、ということだ。現実に、警視庁の公安二課は、これまでオウムに敷いてきた布陣をひそかに革マル対策にシフトし直しているという。
(本書、18〜19頁)

 この本は全部で五章から構成されているが、そのうち三章がJRと革マル派の関係に関するものだ。JRで発生した怪事件の数々もまとめられており、著者野村氏の取材の努力の成果が伺われる。この本は革マル派とJRの関係に関して言及したルポの先駆けだろう。

 しかし、この本を刊行するとなった時、どこの出版社も逃げるか及び腰になってしまったという。その理由は本書を読めば分かるだろう。この本を刊行することは著者や編集者、出版社などの関係者にどんな危害がおよぶかわからない。実際に野村氏はこの本を上梓した後にJR東労組に訴えられ、現在訴訟中だ。

 そこを敢えて刊行された著者の勇気とジャーナリストとしての誠実さには本当に頭が下がる。狂信集団革マル派、彼らは我々の身近な所にいるのだ。今やこの本はインターネットでは入手しづらくなってしまったから、大型書店の店頭で探した方がいいだろう。本当に一読をおすすめする。


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by shikisima594 | 2006-07-20 20:21 | 読書録
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