昭和天皇メモの衝撃
 正直、かなりビックリした。昨日の先帝陛下のお言葉とされるメモが発見されたことだ。内容は報道でご存知のように靖国神社に「A級戦犯」が合祀された昭和53年以降、それを理由に御親拝されなかったというものだ。今回のメモの発見でマスコミも政治系ブログも一斉にこのメモに関する事一色になってしまった。あらためて 天皇の御存在の大きさを感じずにはいられなかった。

 先帝陛下が御親拝を昭和53年以降とりやめられた理由は様々な仮説がとなえられてきたが、このメモが本当ならば、激動の時代を国民と共に歩まれた先帝陛下の複雑な御心境の一端を垣間みる思いがする。以下がメモの当該箇所の文章だ。


 私は 或る時に、A級が合祀されその上 松岡、白取までもが、
 筑波は慎重に対処してくれたと聞いたが
 松平の子の今の宮司がどう考えたのか 易々と 松平は 平和に強い考があったと思うのに 親の心子知らずと思っている
 だから 私あれ以来参拝していない それが私の心だ

 メモを書いたとされるのは当時の宮内庁長官富田朝彦氏だが、すでに亡くなっておられ、どういった話の流れからこうしたお言葉を陛下が発せられたのか、そもそもこのメモが本物なのかは分からない。

 それに何故、この時期になってこのメモが出て来たのか。なんらかの意図があるように思えてならない。政界とマスコミの反応を見てみよう。加藤紘一、山崎拓らの親中売国議員はこぞって「にわか尊皇派」になって、先帝陛下も仰られたのだから…と言っている。こいつらは天皇陛下を政治利用しようとするもの以外の何物でもない。

 さらに皇室典範改定に反対の立場を示されていた三笠宮寛仁親王殿下に対し「もう発言を控えてはどうか」と書いた朝日新聞は、今日の社説で「A級戦犯合祀 昭和天皇の重い言葉」と題して、先帝陛下に適切な敬語を一切使わず「A級戦犯が合祀されているところに参拝すれば、平和国家として生まれ変わった戦後の歩みを否定することになる。昭和天皇はそう考えたのだろう。」として、最後に靖国神社に代わる国立追悼施設建設が必要であり、それがさも先帝陛下の御遺志であるかのように書いている。天皇陛下を利用せんとの下心が嫌というほど露骨なまでに伝わって来る文章だ。

 今回のメモの発見で靖国神社を無き物にしようとしている者達がさも天皇陛下を尊ぶかのような装いをして騒ぎ始めた。これは天皇の政治利用に他ならない。この騒動で誰が得をするのかを考えてみよう。報道では既に中国が大きな関心を寄せているという。それに呼応して天皇陛下の御心を利用しようとする賊の群れ。こうした動きを断じて許してはならない。

 しかし、天皇陛下の御意思ならば尊ばなければならない、とする意見もあるだろう。それについては、この皇国史観研究会ブログで以前、皇室典範改定論議の時に書いた「田中卓先生へ、女系天皇で問題ありませんか?」とその補足のように、我々日本人は天皇陛下を御一方のパーソナリティー、個性や特質を以て個人崇拝し、その方の言葉を絶対とするのではない。

 もし、個人崇拝をするならば西欧の専制君主などと変わるところが無い。明治天皇のあらわされた教育勅語を見てみよう「…是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラズ又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顕彰スルニ足ラン斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所…」とあるように、天皇とは歴代皇祖皇宗の体現者であり、その歴代の皇祖皇宗がつくってこられた国体の尊厳の体現者で、無私の大御心であるが故に尊いのだ。

 恐れ多い例えだが、天皇陛下が国体から外れた誤った言動をなされようとされた時、それを諌言して押し止め奉るのが臣節というべきものだ。むろん、先帝陛下の複雑な御心境は国民として拝察し、そのお考えを御偲びせねばならないが、それを即、靖国神社の参拝をやめて国立追悼施設建設をせよ、というのは天皇陛下の政治利用であり、天皇の私心を政治に反映させるという前例をつくりかねない。

 とにかく今回の件は驚いたが、メモの真偽もいずれ明らかになるだろうし、今回の問題に関しては今後とも極力冷静に見守りたいと思う。また、メモの真偽に関わらず、靖国神社への思いは揺るがないし、国立追悼施設は許さない。願わくばこの国が本当に安らかならんことを。

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by shikisima594 | 2006-07-21 15:30 | 随想・雑記
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