皇国西遊記(後編)
前編から引き続き、岡山県の次は北上して島根県出雲市を目指した。台風直撃が心配されたが、幸いにもたまに青空がのぞく曇天だった。目的地はもちろん出雲大社。

 出雲に着くと早速、出雲そばを食べた。量こそ少ないものの、いい水を使って丹念に造っているのか、とてもおいしかった。みなさんも出雲に行ったら是非食べてみたらいい。ちなみに今回、出雲そばをいただいたのは、こちらのそば処 おくにというお店。

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 出雲大社は日本神話の中に国譲りに登場する。天照大神らが大国主命に国譲りを求め、話合いの末、大国主命が自分の宮殿建設を条件に国を譲るのだ。写真は大国主命と因幡の白ウサギの像。

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 参道には樹齢数百年以上と思われる松が何本も生えていて圧巻だった。普通の松よりもずっと大きい。他に杉の巨木なども社の裏手にあった。神話では出雲地方に天降ったスサノヲノミコトはヤマタノオロチを退治するが、ヤマタノオロチの背中にはこうした杉や檜などの樹木が生えていたという。出雲大社の巨木を見ていると、古の人々が想像した怪物の一端を見たかのようだった。

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 出雲大社には厳かな雰囲気が満ちていた。この日は夏休みを利用してか日本各地から大勢の人が参拝に訪れていた。やはり、出雲大社は日本神話の重要な舞台だから一度は行ってみたいと思う人が大勢いるのだろう。出雲大社が普通の神社と違うのは参拝の際に、二拝二拍手一拝ではなく、二拝四拍手一拝で参拝することだ。

 境内には彰古館という小さな展示場があったが、そこには大黒天の像が所狭しと並べられていた。仏教が我が国に入って来た事で、神仏習合が進み、大国主命は大黒天と同一だと考えられるようになり、こうした産物ができたのだろう。これには自分はもの凄く違和感を覚えた。

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 また、境内には天皇皇后両陛下が出雲大社に行幸啓された折に、皇后陛下が詠まれた御歌が石碑となっている。「国譲り祀られましし大神の奇しき御業を偲びて止まず」と詠まれている。皇后陛下の御歌はいくつか拝しているが、人々の感性に響くような、本当に美しい言葉で綴られた素晴らしい御歌ばかりだ。

 そんな感じで境内や宝物殿を散策してから出雲大社を後にした。次に行ったのは出雲大社から少し離れた場所にあるものだ。

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 この写真が何かというと、日本神話にイザナギノミコトが先立ったイザナミノミコトを追って黄泉の国に行き再会する。ところがイザナミは黄泉の国の食べ物を食べてしまったから元の世界には帰れないという。戻って来てくれと頼むイザナギにイザナミは黄泉の国の神と話をしてくるからしばらく待ってくれ、ただしその間、決して自分の姿を見てはいけないと念を押す。

 ところが待ちきれなくなったイザナギはイザナギの姿を見てしまう。それは体中にウジ虫がわき、雷神がまとわりついた異形の姿だった。驚いたイザナギは逃げ出すと、イザナミは黄泉醜女たちにイザナギを追わせた。

 イザナギは黄泉の国から黄泉比良坂をかけあがり、この世とあの世との境に岩を置いた。黄泉比良坂とされるのが上の写真の場所で、その岩が下の写真のものだ。何ともないとは思いつつも、岩から向こう側に行くのが躊躇われた。古の人々がその岩の向こうに思い描いた“物語”を日本人として大切にしたいと思ったからだ。

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 それにしても、これほどまでに神話の史跡がたくさんあるとは、やはり日本はスゴいと参加者達は深く感動していた。多分、これを読んでおられる方の身の回りにも神話の舞台があったり、神々が息づいているはずだ。大日本は神国なり、だ。

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by shikisima594 | 2006-08-21 12:12 | 活動報告
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