『語られなかった皇族たちの真実』
f0018981_1242731.jpg最近、皇室典範改正をめぐる議論が活発になってきた。
皇室とは我が国2000年以上に亘る歴史と伝統を有する国体そのものであり、それ故に、皇位継承に関する議論は慎重の上にも慎重を期さなければならない。

しかし、小泉総理大臣の私的諮問機関である「皇室典範に関する有識者会議」(吉川弘之座長)は僅か三十時間程度の議論で、この伝統を改変するという答申を発表した。つまり、「皇位継承は長子優先で女系天皇を認める」という内容である。この議論の進め方と結論に大きな違和感を感じるのは自分だけではないだろう。

そうした中で、この『語られなかった皇族たちの真実』という本が、旧皇族である竹田恒泰氏によって小学館から出版され、話題を読んでいる。筆者は明治天皇の玄孫にあたる。 今までいかにして皇位を継承して来たかという先人達の叡智を示し、どうして女性が天皇になってはいけないのかを具体的に論じ、いかに皇族方が天皇を守り支えて来たかを、我が国最大の国難であった大東亜戦争を通して紹介する。

そして、GHQによって臣籍降下させられた十一宮家の旧皇族についても論及し、全体的に詳しく、且つ分かり易く説明するといった構成になっており、皇位継承問題の初心者にも、国体論の碩学でも読める本である。

皇位はなぜ男系によって継承されなければならないかを以下の様な例えで書いている。「たとえば、世界最古の木造建築は法隆寺であるが、老朽化が著しいからといって鉄筋コンクリートで立て替えたとしたら、それはもはや法隆寺ではない。鉄筋コンクリートが悪いのではなく、法隆寺に鉄筋コンクリートはふさわしくないということである。」(69頁) それが伝統の伝統たる所以であるのだ。

繰り返すが、日本の 皇室は2000年以上の歴史と伝統がある。GHQによって十一宮家の皇族が臣籍降下させられてから僅か60年である。「今さら旧皇族に復帰していただくのも違和感がある」という声がある。しかし、もし仮に旧皇族の方々に皇籍に復帰いただいたとして、2、300年のちの日本人たちは、その事に違和感を感じるだろうか?

皇室問題とは有史以来の歴史を振り返り、数百年先を見通す視点を持って慎重に論じられなければならないだろう。
この本を抜きに 皇室典範の改正を論議する事は許されないと思う。まず、「皇室典範に関する有識者会議」は、この本を教科書にして、皇位継承を巡る議論を再度やり直すべきである。

そして、政府・皇族方・国民も一体となって、この問題の解決に知恵を出して行かなければならないのではないだろうか?
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by shikisima594 | 2006-01-10 14:35 | 読書録
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