日経、ついに新聞協会賞受賞
f0018981_12403392.jpg 本日、十月十七日。岡山市で開催される新聞大会で、日本経済新聞社の「富田メモ報道」に、新聞協会賞編集部門賞が授与される。

 受賞者は日経新聞の東京社会部に在籍し、七月二十日の「富田メモ」記事を執筆した井上亮記者だ。我々をはじめ、多くの人々が「富田メモ」が報道された当初から、その内容に疑問をいだき、日本経済新聞社に対して質問、あるいは批判・抗議を繰り広げていただけに、残念な結果だ。

 無私であらせられる天皇陛下の御内意とおぼしきものを、真偽・真意の定かでない「富田メモ」なるものを基に暴き立てて、あろうことか、天皇陛下を政治利用し、我が国のために殉じて行かれた方々を祀る靖国神社への攻撃を行ったのが日経「富田メモ」報道だ。

 今回の授賞には、業界ぐるみで「富田メモ」を既成事実化しようとする魂胆が色濃く反映されている。今日の授賞式に先立つ二日前の十五日、日経に「昭和天皇『私の心』発見」と題して、井上記者本人による入手から掲載までの経緯を書いた記事がのっていた。

 総理の靖国神社参拝をめぐる議論が高まっていた時期に報道すれば、多大な影響を与えるとわかっていたが、「掲載のタイミングを見計らう『意図的報道』もあってはならない。」として七月二十日に報道したと開き直っている。

 同日は日経社員の大規模なインサイダー取引が取り沙汰され、靖国神社参拝派である安倍現総理の著書が出版された日であった。掲載のタイミングを見計らずにそうなったなら、それは“奇跡”だ。

 さらに「記事の主眼を『昭和天皇の靖国不参拝の理由が明らかになった』という『現代史の事実発掘』に置いて、裏付け取材に全力を挙げた。」と言って、あくまでも事実のみを報道し、政治的意図がないかのように主張しているが、詭弁も甚だしい。

 「富田メモ」報道翌日の、七月二十一日付け社説では、「昭和天皇の『心』の歴史的背景を重く受け止め、小泉首相をはじめ関係者が適切に行動することを切に望みたい。」と、ストレートに天皇の政治利用を叫んでいる。

 総理参拝後の八月十八日付け社説では「靖国神社は戦死したわけでもないA級戦犯を合祀して『大東亜戦争肯定論』の立場をとっている。国を代表する首相がこうした神社を参拝すれば、あの悲惨な敗戦のけじめがあいまいになり、諸外国との信頼関係を大きく損なうことになる」と書いている。

 こうした背景がありながら、『現代史の事実発掘に主眼を置いた』と言われて信じるものがいるはずがない。それに「裏付け取材に全力を挙げた」としているが、「富田メモ」を鑑定したとされる東京大学の御厨貴教授は「私は、公開されたあの部分のメモしか見ていません」と証言しているが、これが井上記者の言う「全力でやった裏付け」の実態なのだ。

 我々は八月一日付けで日経に公開質問状を送付した。その中には「このメモがもし仮に『中国が騒ぐから参拝出来ない』というものであれば、貴紙は同様に一面大見出しで報じたか。」という質問があった。その後、日経はこの質問に答えてこなかった。

 しかし、この井上記者の記事の中にはその答えらしきものがある。いわく「(昭和天皇が)仮にまったく別の理由を語っていたとしても、同じような姿勢で報道しただろう。重要なのは事実である。どんな論議も、事実を踏まえないものは不毛であり危険だ。」

 事実を踏まえるのは大切だ。自分もまったく同感であるが、では日経はなぜ、昭和天皇のおそばに五十年にわたって仕えた徳川義寛侍従長が、富田メモと同一趣旨と表現の発言をしていた事実を踏まえようとしないのか。

 「富田メモ」の当該箇所が書かれたとされているのが、昭和六十三年四月二十八日だ。この日に徳川侍従長と富田朝彦宮内庁長官が会っていた可能性が高いにも関わらず、その点を我々に追及された日経は「会っていないという物証がどこかにあるのかといえば、ありません。」と、およそ報道機関にあるまじき発言をした。

 そもそも、「A級戦犯合祀に強い不快感」と日経は報じたが、メモ当該部分には「私は強い不快感を持った」などと書かれておらず、「強い不快感」というのは、日経側の恣意的な主観に過ぎない。この点は我々も「何をもって『不快感』としたのか?」と追及したが、日経からは一切回答がなかった。

 しかも、「富田メモ」報道をさかのぼること三ヶ月前の、四月十三日に日経の杉田亮毅社長が、中国北京の釣魚台国賓館で、中共の唐家旋国務委員と会談し、「日本国民の認識を正しく導くよう」に要求された事実を報じていない。そのような日経が「事実云々」というのは、天に唾する行為ではないか。

 さて、新聞大会が開催されている岡山県の名物は、桃太郎さんの吉備団子だ。桃太郎の話では、一個食べさせてあげると、相手が子分になってくれる団子として登場する。吉備団子を食わされた訳でもないのに、中国共産党と日本財界の子分となる日経には困ったものだ。

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by shikisima594 | 2006-10-17 14:44 | 随想・雑記
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