共産党宣言を読む(第三回)
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日本で「共産」と名を冠するものへの批判は様々であるが、大きく分けると二つである。  
一つは暴力的な新左翼諸セクトのテロから日本共産党員による破廉恥行為、中共や北朝鮮や、かつてのソビエトなどの共産主義を標榜する国家の蛮行に対する批判、つまり共産主義者の行いへの批判である。

そして、もう一つが共産主義の理論に対する批判である。その中で現在でも、よく聞かれるのが「共産主義は私有の財産や競争を廃止させる、私有の財産を廃止させると人は働かなくなるから社会は成立しない」といったものである。  

『共産党宣言』の第二章「プロレタリアと共産主義者」には、この批判に対する回答が書かれている。要約すれば「ブルジョアの支配する社会では、九割の人々がブルジョアの搾取により私有財産を廃止されている。共産主義とは、この九割の人々の財産を廃止することで成り立っている財産、すなわちブルジョアの財産を廃止することである。私有財産を廃止したら人々が怠惰になるというが、だとするならば、働く者が儲からず、儲ける者は働かないブルジョア社会はとっくの昔に滅んでいるはずである」という論理である。  

今の日本において、九割の人々の財産が“廃止”されていると思う者はいないだろうが、いままで『共産党宣言』を読まずに「共産主義は庶民から私有財産を剥ぎ取るのか」と思っていた人は納得ができたのではないだろうか。自分もかくいう一人である。  

『共産党宣言』の中には平成の現代に生きる日本人が読んでもピンとこない箇所がいくらかある。例えば「文化とはブルジョアの機械になるための心得でしかない」「労働者は祖国を持たない」「国民内部での階級対立がなくなると、諸国民間の対立もなくなる」などを読むと、文化をブルジョアの機械になる心得とするはずの人間がどうやって文字や言語を使って、この『共産党宣言』を書いたのか実に疑問である。  

また、納得出来る箇所もあるにはある。「国民内部での階級対立がなくなると、諸国民間の対立もなくなる」という理屈も先の拙論で書いたアメリカの国内矛盾の解消方法、つまり外に敵をつくるやり方と照らし合わせると正当であると納得できる。中共も市場経済導入・資本主義化により国内の階級対立が深刻化したから「反日」を強めているという側面もあるのだろう。  

しかし、労働者になった途端に祖国を喪失するのなら、僕は就職活動ができないではないか!えっ、どうせおまえには就職先が無い?そんなぁ〜。(つづく)

(写真は新日本出版社から比較的最近、刊行された『共産党宣言』であり、この新日本出版社はサイト→http://www.shinnihon-net.co.jp/index.htmlを見てもわかるように、日本共産党の傘下にある出版社である。)
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by shikisima594 | 2006-01-17 11:52 | 読書録
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