『軍バリ!』
f0018981_22414336.jpg 「楽だぞ、たのしいぞ〜」と先輩に騙されて、というか先輩にとっては「楽でたのしかった」のだろうが、世間知らずだった僕は陸上自衛隊の体験入隊に放り込まれて、地獄のような目にあってきたわけである。

 詳しくはこのブログの中の自衛隊体験入隊記をご参照いただきたい。本当は全部、あらいざらい書き尽くしたいのだが、筆舌に尽し難いとはまさにこの事で、教官からの罵声など、まさに漫画のような放送禁止用語の連発であったし、かなり無茶苦茶な訓練内容はブログに掲載できない。

 さてさて、この『軍バリ!』(講談社)は、現在でも北朝鮮と“停戦状態”にあって、徴兵制が施行されている韓国のフツーの若者が徴兵制で軍隊に入隊する話を描いた物だ。それまでフツーの若者だった主人公達は二十歳をむかえると、韓国国民の義務として二年間の徴兵にとられる。

 日本の若者とまったく変わらない、自分の趣味や仕事、学業に専念していた青年達はみんな、いきなり国家から二年間の徴兵を課されるのだ。金持ちも、貧乏人も、芸能人も、ガリ勉も、一部の徴兵逃れを除いてみんな徴兵にいくのだ。

 最初の日の夜、その辛さからみんな泣く。実に生々しい。かつての日本もそうであったというし、かくいう自分も体験入隊のときは泣きこそしなかったものの、とてもじゃないが眠れなかったものだ。軍隊とはどこの国もだいたいこのようなものであるだろうし、訓練の内容もだいたい実弾や手榴弾を使わない以外は自衛隊体験入隊も、この漫画と同じだった。

 特に印象的だったのは一巻で、過酷な訓練に耐えかねた主人公が上官に逆らい、なんで自分たちがこんなことをしなきゃいけないんだと問う。すると、上官は淡々といままでこの国を先輩達がこうして守って来てくれたからこそ、自分たちが自由を謳歌して暮らす事が出来たのだと、当たり前のことを言う。

 口で言うのは実に当たり前のことに聞こえる。しかし、その当たり前の事が、どれほどの労苦と犠牲の上になりたっているのか、そして自分がそれを担う一員になって言うのとでは、まるで重みが違うはずだ。その点で本書は日本の若者と同様の自由な価値観の中で育ってきた青年達を主人公にしているから、日本の若者が読んでも容易に感情移入して読めるのではないだろうか。

 僕は一泊二日で正直、いっぱいいっぱいであった。それは逆に「一泊二日で終わるから」という思いがあったから、それでいっぱいいっぱいに感じたのかもしれないが、韓国の僕らと同じ世代の青年達はそれ以上に過酷な徴兵に二年間行くのである。

 「韓国はふざけるな!」と韓国を批判する人は少なくない。このブログにもそうした傾向があることは否定しない。しかしながら、この韓国の青年達が徴兵の義務をこなし、国民として国防の務めを果たしている事実を鑑みて、「じゃあ日本でも徴兵を!」という勇気はあるだろうか。

 逆に韓国を讃美して、朝鮮人に媚び諂うことを信条とする人達がいる。彼らは「日本が韓国を侵略した。謝罪しろ」なんぞと馬鹿の一つ覚えみたいに言う。その見方には異論があるが、韓国はちゃんと侵略されないように国民が国を守る決意を固め、徴兵の義務を果たしているのだ。いまこそ韓国大好き人間の方達には、「韓国に学んで日本も徴兵制を!」と言っていただきたいものだ。

 とにかく、この本には徴兵制を通じて、国家とそこに暮らす人々を守る事に向き合った、フツーの若者の青春群像とでもいうべきものが描かれている。軍国主義でも、戦争礼賛でもない。隣国の現実をを描いたこの漫画を通じて、日本も自国を守るとはいかなることか、考える機会になるだろう。

タカユキ

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by shikisima594 | 2007-02-16 23:44 | 読書録
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