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文化国粋主義という考え方 〇二〇
 ここに連載し説明している文化国粋主義とは、私のもつ社会的理想の仮称である。
 これまでに本論は総括され、二つの重要な補足も施した。遺すところは、既に最後の補足事項のみである。

 この補足事項は、全体の結論を含めるものとなる。我々は前回に引き続いて、より一層この思想の世界的性格を主張しなければならない。我々は世界と協調する意思を持つ。少なくとも、既存の思想体系において手付かずとされていた、個々の民族主義的な運動に、世界的規模で統一した目的を設定する試みは、今次における実現の可能性を欠くとも、後代の理念として十分意義を持つものと考えられる。再度強調して言及するならば、我々文化国粋主義者は、自らの理念にあくまで普遍主義を追求する。我々は、文化国粋主義の普遍性によって、世界の民族主義の方向性を一つにすることを望んでいる。

 次いでこれも、再び言及するに過ぎないが、我々はここにこそ宣言の機を得たものと見たい。我々の目的は、全ての民族の生存権、より多数の民族の共存共栄である。

 はたして、我々の主張は前項の冒頭の通り繰り返される。

 一四、民族の共存共栄を志向するため、

 我々は、民族間の絶え間無い闘争という認識や、その独自文化の本質的優劣という認識、および、その価値の絶対的差を含めるいかなる不平等な価値思想にも反対する。
 しかしこの理念は、もう一つの論理の可能性を我々に開くのである。それとはすなわち、この後の論理展開に不可欠な、方法論的な考察に含まれる問題である。とはいっても、これはなお理念の域をでない。当面探るべき方法論とは、我々が何を価値と設定するかという考察にほかならない。

 これより考えなければならないのは、我々はどう民族の平等世界を追求しなければならないかという、より現実的な命題である。我々はどのような世界を望むのか。そして、現実に何を厭うべきなのか。この点について、十分な考察無しには、この現実を反省することもままならないままである。
 しかしながら、我々は前項において、一定の方向性を設定するのにも成功している。これらの理想を編纂するという目的を持ちながら、次回はその礎として、我々の具体的な希望について掘り下げたい。

 ムネカミ

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by shikisima594 | 2007-05-19 23:58
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