「はしか」が今更、何故騒がれる?
 最近、首都圏の大学が次々と「はしか」の流行によって休講している。幸いな事に国士舘では、まだ休講になっていないが、今後どうなるかは分からないから、怖いものだ。
 そもそも、「はしか」とはどういう病気なのか?
 「麻疹(はしか)」とは、麻疹ウイルスの感染によって患う感染症で感染力が強力な病気である。過去には、感染者と空港のロビーですれ違っただけで感染してしまった例もあるそうだ。ただし、人間以外には伝染しないウイルスでもある。
 流行が起こるのは晩冬から春にかけてだが、2~3年の周期があるようだ。
 症状は、1~2週間の潜伏期間を経て、発熱・咳・鼻水・結膜炎を発症し、特に咳が強くなる。
更に2~4日目頃、熱は一時的に下がりかけますが、口の中にコプリック班という白い斑点が出る。
 その状態から半日が経つと、再び高熱が出て、発疹が出始めて初期の症状が更に酷くなるが、二度目の発熱は、4~5日で下がり、発疹も収まる。
また、麻疹ウイルスは免疫機能を司るT細胞に感染するため、下痢や中耳炎・肺炎・麻疹脳炎・亜急性硬化性全脳炎等の合併症を伴いやすく、それがこの病気をやっかいにしている。
「はしか」には有効な薬品は存在しないため、予防接種が重要になる。
日本ではMRワクチン(はしか・風疹の混合ワクチン)を平成18年から使用していて、再感染を防ぐために二度の接種が基本とされているが、義務にはされていない。
その理由は、平成元年に当時の厚生省が採用して、一度の接種を義務付けたMMRワクチン(はしか・おたふく風邪・風疹の混合ワクチン)である。
このワクチンのおたふく風邪ワクチンに欠陥があり、接種の義務付けられていた一歳児に高い割合で無菌性髄膜炎が生じ、4人が死亡、被害を認定された人数も1000人を超えた。
そのため、平成6年には予防接種法が改正され、義務ではなくなったのだ。
また、MMRワクチン程ではないが、MRワクチンでも何件か副作用が報告されており、その原因は判明していない。
兎に角、日本での予防接種は義務ではなくなったのだが、平成10年にはアラスカに訪れた日本人の子供を発端に流行が起き、日本は「はしかの輸出国」として非難されている。
依然と流行を続ける「はしか」だが、その理由はワクチン接種率の低さと指摘されるのは当然だと思う。
日本小児科学会予防接種担当理事の加藤達夫氏は、「MMRの影響でワクチン全体への不信感があるのかもしれない。しかし、接種で制圧可能な病気で死亡例が出ていることは問題だ」と平成14年に指摘しているが、その発言から5年が経つ今も「はしか」は流行し続けている。
これだけの間日本の医師たちは「はしか」と戦ってきたが、現状の法律では予防接種を受けるのは人々の意志である。
一度の予防接種で、免疫が必ずしも身に付く訳ではないという事はご存じだと思うが、この機会に皆さんも予防接種を受けてみたら如何だろうか?

洗国

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by shikisima594 | 2007-05-27 00:34 | 随想・雑記
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