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エコロジーな町興し
 皆さんは岩手県葛巻町という町をご存じだろうか?
この町は「人間よりも牛の数が多い」と言われるほどの酪農の町だ。
 今、地方の都市や市町村が過疎による人口の減少に悩んでいるのはご存じの通りだ。
この葛巻町も、十年程前までは普通の地方にある町と同じで過疎化に悩まされていた。
 そこで、平成10年3月に葛巻町は「岩手県新エネルギービジョン」として風力発電(合計3基の発電機で1日1200kw)・太陽発電(葛巻中学校には1日50kwの県内最大の発電パネルがあり、それとは別に各自宅にある)や樹皮などを整形して作ったペレット燃料、牛の糞尿や生ゴミを発酵させてメタンガスを生成するバイオガスシステムを用いた自給自足のエネルギー作りに努めた結果、町全体のエネルギー自給率は78パーセントになり、エネルギー関係で訪れる方々が増えたという。
 今では葛巻町のキャッチフレーズは「北緯40度 ミルクとワインとクリーンエネルギーのまち」だ。観光客も年々増加しており、牧場や宿泊施設は黒字だという。
 
葛巻町には、県のエネルギービジョンとは別に独自のエネルギービジョンである「葛巻町のエネルギービジョン策定が」ある。
 これは、「天の恵み」「地の恵み」「人の恵み」という3つの基本理念を柱として、自然を大切にする心と人が長きにわたって作り上げてきた良き文化・伝統を大切にする精神と行動がこれからの社会に必要な事であるというものだ。
 葛巻町では、自宅に太陽光発電のパネルを設置する際に援助金が出るという。更には、ハイブリット自動車の購入にも援助が出るそうで、燃料電池自動車の体験試乗会も頻繁に開かれている。
 
しかし、自然エネルギーは化石燃料を用いた方法に比べるとエネルギー効率が悪い事が知られているし、風力発電では過去に取り付けたはいいが、発電量が予定値に達していなかった所もあるという。
 また太陽光発電にしても、国が補助金を出したとはいえ、発電パネルの値段が非常に高いという問題点がある。

 それでも今後は化石燃料が枯渇する事を考えると、新エネルギーを模索する事は当然重要な事だ。
 原子力発電も地方には設けられているが、大抵の方々は「原子力」と聞いてその場所に住みたいとは思えないだろう。
 原子力発電所が地方の過疎化を促進している理由のひとつであれば、自治体としては風力発電や地熱発電に代表される「クリーンなエネルギー」を用いたいと考えるのは当然である。
 確かに原子力発電の方が効率は良いが、住民の感情を考えると導入し辛い。
 
 今後、政府と自治体は住民と話し合いながら新しいエネルギーの供給方法を考えるべきである。

文責 洗国

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by shikisima594 | 2007-06-01 16:38 | 随想・雑記
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