『拒否できない日本』
f0018981_2265571.jpg 最近の日本が変わって来ている。新聞やテレビの見出しを拾うだけでも、その変貌の急速さを実感せずにはいられない。規制緩和、IT業界・人材派遣業かの急成長、郵政民営化、商法大改正(国際会計基準の導入)、法科大学院の大幅な設置……

 これらの“改革”をマスコミは盛んに、さもあたりまえのように報じているが、これらの背景には全然と言っていいほど、スポットをあてようとしない。というのも、実はこれらの“改革”には全て「元ネタ」が存在する。

 その「元ネタ」とは、アメリカ政府が毎年、日本政府に対して突き付けてくる「年次改革要望書」である。本書は、この「年次改革要望書」の実態と、アメリカのドス黒い魂胆を詳細に追及した本である。

 「年次改革要望書」には、日本人の伝統文化・慣習に対する配慮も、生命、財産への思慮も全く見られない。あるのは露骨なまでのアメリカへの利権誘導である。近年、日本に急激に侵出してきている外資系企業や、アメリカのハゲタカファンドの露払いが、この「年次改革要望書」である。

 読み進めれば読み進めるほど、この「年次改革要望書」に政治家も、マスコミも、官僚たちも口をつぐんでいる現状に薄ら寒い恐ろしさを抱かずにはいられなかった。言われるがままに、好き勝手に人の国を改造して、いったい日本は誰のものなのか。アメリカの植民地なのか。

 親米派とされる人々は、口を揃えて「アメリカには二つのアメリカがある。反日の民主党アメリカと親日の共和党アメリカがある。だから日本は親日の共和党と仲良くすればいい」というのだ。それはもはや幻想にすぎない。

 なぜならば、この堂々とした屈辱的内政干渉の「年次改革要望書」は平成5年に当時の宮沢首相と民主党のクリントン大統領の間で締結され、現在では共和党のブッシュ政権により強化された形で引き継がれているのだ。共和党も民主党もない。アメリカはアメリカということだ。

 「年次改革要望書」の内容は、規制緩和、行政改革、審議会行政、情報公開、独占禁止法、公正取引委員会、入札制度、業界慣行、民事訴訟制度、農業、自動車、建築材料、流通、エネルギー、金融、投資、弁護士業、医薬・医療、情報通信、などなど、トンでもなく多岐にわたる。

 それら全てが「グローバル化」の名の下に「アメリカ化」させられているのだ。かつて160年前にカール・マルクスが「ブルジョアジーは自分に似せて世界を創造する」と指摘したが、いまや日本は拝金主義の狂信国家アメリカに、すっかり改造され尽くそうとしている。

 つらつら考えてみる。「年次改革要望書」の“オチ”とは何だろうか?
 それは、「Japanの合衆国への編入」ではないのか。
 アメリカ国旗の星の数は、建国以来、増え続けてきた。それはアメリカの帝国主義的膨張を象徴している。日本がそこに新たな星として加えられてもいいのか。

 そうなってからでは遅いのだ。本書がより多くの各界各層の日本人に読まれ、アメリカの日本改造を食い止めなければならない。

タカユキ

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by shikisima594 | 2007-07-06 22:39 | 読書録
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