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青い瞳の見つめるものは
 大学に入って、というよりは皇国史観研究会に入ってからというべきだろう。海外のマスコミから何度も取材を受けた。特にアメリカと韓国のマスコミからの取材が圧倒的に多い。先日も韓国メディアから取材の依頼が来た。

 はじめて取材を受けたのは一年生の時に国士舘大学の皇居勤労奉仕団に参加した時に、「昨今の日本におけるナショナリズムの高揚」「皇室に対する若者の考え」ということで、韓国のマスコミから取材を受け、翌年、二年生になってからアメリカのフリージャーナリストやテレビ局から「日本の民族派学生」として取材された。

 ほかにも、日本のメディアでは雑誌社や毎日放送からも取材を受けて来た。日本のマスコミと海外のマスコミも基本的に「なぜ今のような考えになったか」「靖国神社、皇室をどう思うか」「いま日本で民族主義的言動が高揚しているのは何故だと思うか」という質問は同じだが、海外のマスコミには、日本のマスコミと目立った違いがある。

 それは、「みんなで戦闘服を着たり、武闘訓練をしていますか?」と聞いてくるのだ。残念ながら皇国史観研究会では、趣味で軍服や国民服を着る者はいるが、みんなで一律の制服や戦闘服を着たりしないし、ましてや武闘訓練なんかはしない。僕などは武闘訓練などしていたら、筋肉痛でブログを書けなくなってしまう。

 そう答えるとガッカリしたように、「そういった事をしている団体を知りませんか、知っていたら教えて下さい」と頼んで来る。別に知らないわけではないが、この姿勢には随分と疑問を感じた。すでに撮りたい物があらかじめ決まっていて、それを自分達の頭にある姿に沿って“撮影”するのだ。

 これはマスコミ報道の姿勢としては極めて短絡的な物ではないのか。それを受けて僕は「確かにみんな椅子に座って黙々と勉強会をしている光景よりは、日の丸を縫い付けた戦闘服を着て“天皇陛下万歳”と言いながら竹槍訓練をしているのを撮った方が絵になるのは分かります。でも、それをあたかも日本のナショナリズムの全体像であるかのように報道しようとするのは、ジャーナリストとして不誠実じゃないですか。それにそんなものを、あなた方の国で放送して、貴国と我が国の友好関係に何か良い意味での発展があると思うのですか?」と問うた。

 相手は言い返さなかったが、外国のマスコミとは往々にしてアナクロニズムでファナティックな情景を心から欲している事が、よーくわかった。それを撮影して「日本で再び軍国主義が蠢動している」とでも報じたいのだろう。知人から韓国のテレビ局が、日本の民族主義運動をドキュメントしたビデオをいただいて、見た事がある。

 冒頭、君が代が真っ黒の街宣車から大音量でかかり、その前で戦闘服を着た人たちが手を後ろ手に組んで、姿勢を正して整列している場面から始まる。そして平沼赳夫氏や小泉総理や安倍晋三氏などが日の丸を背景に喋っている場面にオドロオドロしい音楽が掛けられて、日本の危険なタカ派政治家のように紹介される。

 しかも、照明をあて方か撮影の仕方を調整してあるのか、日本のニュースで見るよりもはるかに顔色とテレビ映りが悪く感じられる。これじゃあプロパガンダ(政治宣伝)だ。他の団体の人などからも聞いたが、海外メディアは勉強会よりも武闘訓練、普段着よりも戦闘服や軍服を撮りたがるらしい。

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 これは僕も経験がある。というのは、ラフな私服で靖国神社に参拝してもインタビューされる事はないが、国士舘の蛇腹を着ていくと取材される確立が飛躍的にあがる。去年の敗戦無念日(8月15日の通称「終戦記念日」)は写真のように蛇腹を着ていくと、国内マスコミを含めて四社ぐらいからインタビューされた。

 ただ、考えてもみてほしい。海外のマスコミが撮りたいのは、近年になって台頭して来た日本のナショナリズムであるはずだ。例を挙げるなら『戦争論』や『嫌韓流』などに代表される若者世代の考えや、インターネット上に蔓延する反中反韓系サイト、憲法改正などを望む世論こそが、彼らの本来報道しなければならないものだ。

 ところが、彼らが一様に撮りたがるのは、戦闘服や制服で武闘訓練をする集団だ。それは世論が現在のようにナショナリズム的になる以前から存在し、大半の右とされる言説を主張するようになった人々とは関係のない一部の人々だ。それでは、事の本質から遊離しているのではないか。誤解のないように言っておくが、僕はそうした真剣に武闘訓練を続けられる人々を否定しているわけではない。

 しかし、海外マスコミが「日本のナショナリズムが台頭して来た」と言いながら、ごく一部の昔から存在した戦闘服を着た人々を、さも全体のように報じるのには、視聴率至上主義の弊害にせよ、海外の人々に日本に対する考えを歪めさせかねないものがあり、ジャーナリストとしても不誠実に思えるので、大いに反省していただきたいものだ。

文責:タカユキ

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by shikisima594 | 2006-07-10 01:45 | 随想・雑記
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