どうして皇国史観研究会に入会したのか会員に尋ねる本企画も三回目で、今回は平成十六年に入会した大義会員に取材をおこなった。 聞き手 お生まれはどちらですか。 大義 生まれは山口県岩国市。米軍基地で有名なとこだな。 聞き手 小さい頃は米軍基地についてどう感じていたのですか。 大義 そうだなぁ、米軍基地っていえば、市の上空を飛行機なんかが昼夜問わずビュンビュン飛んでいて、すごいウルサかったね。俺が小学校五年生になる時に「タッチアンドゴー」の訓練が夜の八時頃や十時頃にあって、無茶苦茶ウルサかったな。そんな中で育ったわけだよ。 沖縄とは違って事件が起きたりもせず、市民も「ふーん、基地があるなぁ」ぐらいの受け取り方だったね。外に出て来る米兵もすごい大人しかったしね。それにもともと岩国の米軍基地は戦前は日本海軍の基地でそれを転用したものだから、住民の方も軍都として慣れてるし、土地収容をめぐる問題もなかったし、反発心もなかったね。 聞き手 そうですか。そんな中で今みたいな考えを持つようになったのはいつ頃ですか。 大義 自分の生まれが広島の近くってこともあって、小さな頃から原爆について「平和教育」を受けてね。何回も平和記念公園にも行ったし、中学生になってからも平和記念公園で「平和学習」ってやるわけだよ。原爆の被爆者の人が来て話も聞いたりしたよ。どこか「昔、日本は悪い事したんだ」って洗脳されてたね。 森総理の「神の国発言」ってあったでしょ。あの時は「なんだこいつ、頭狂ってんのか!?」と怒り狂ってたのが記憶にあるな。(笑) あと、何かのテレビ番組で「日本の徴兵制」って議論していて、それを見た親が「いまのガキは情けないから徴兵して根性鍛え直した方がいい」って言ったから俺が「ウルセー、国のために死ねるか!」ってやったね。それが中学生の時だな。 その考えが変わったのが、高校二年生のとき友達と「南京大虐殺はあるのか?」って話をして、それが頭に残っていて、本屋に行ったとき、「小林よしのりコーナー」ってあってね。「なんだ?」と思って手に取ったら「すげぇ!!」と思って買って読んだね。その時は『戦争論2』まで出ていたね。それですぐにそんな考えに染まったね。 それで学校の教室の後ろの黒板に「南京大虐殺は捏造だ!」って大書したりしたね。(笑) 聞き手 すごいですね。(笑) 大義 それで友達とも口論になったね。やっぱりうちの高校は「平和教育」が浸透してたから、スゴい批判を浴びたよ。「頭狂ったのか」とかね。「教科書に書かれてるんだからあるに決まってるだろう」とかね。 聞き手 当時の高校時代は部活は何をしてたのですか。 大義 部活はハンドボール部だったね。ずっとやってたね。勉強は一切しなかったよ。 聞き手 ハンドボール一筋のスポーツマンがいきなり「南京大虐殺はなかったんだ」なんて言い出したからクラスメイトはかなり意外に驚いたんじゃないですか。 大義 そうだね。俺、クラス公認のバカだったしね。(笑) 聞き手 それで高校三年になってからはどうだったんですか。 大義 さすがに高校三年になってからは大学受験も考えなきゃと思い出してね。それで大学受験の勉強をしようしようと思ったんだけどね…(笑) 夏休みが終わって、冬休みが終わって、もうセンター試験だ。(笑) 聞き手 よくあるパターンですね。(笑) それで今の国士舘に入ってからどうでした。 大義 もう「右翼の大学」って聞いてたから、なんかそういうのあるのかなって思ってたら「敷島倶楽部」ってのがあってね。なぜか牛乳パックのデザインのビラで、よく分かんねぇなと考えてたんだ。(笑) それである日、授業が終わってから歩いてると『月刊大吼』を読んでる奴らがいてね。こんな奴もいるのか!と思って「君ら小林よしのりとか好きなの?」って声かけたら、それが切っ掛けで入会したんだ。 聞き手 その時の会員の面々はどんな感じでした。 大義 何してんだろうって感じだったね。(笑) 時事問題について話し合うクラブかと思えば、いきなり登山させられたり、拉致集会に参加したりしたね。それで今の会長。「こんな奴いままで見た事ねぇ!」って奴でね。(笑) すごい過激派ネタに詳しかったり、テレビに天皇陛下が映ると姿勢を正したりしてね。(笑) 他の先輩達も変な先輩ばかりでね。蛇腹もいれば国民服着てる人もいたし、ファシストもいたしね。あとはぶっ飛んでる人もいるし。いままで見た事のない「新種の生き物」がいっぱいいたよ。(笑) 高校時代からは想像もつかないようなことをやってるなぁとね。 聞き手 なるほど、未知の世界だったんですね。ところで今の日本についてどう思います。 大義 なんだろう。もう完全に衆愚政治と化してるんじゃないかと思うね。政治家が「若者の活力がなくなってる」なんて言うけどさ、年金問題、議会の不正だとかそれは正しいかもしれないけど、それが終わったら貴方達は何をするの?と思うよ。理想を語らないじゃない。だから若者は付いて行かないし振り返らないんだよ。 聞き手 若者が政治離れした背景には、政治家が選挙区の事しか語らず、政治が本当に語るべき国のあり方だとか、そういった大きな問題は票にならないと思い込んで踏み込まないって事がありますね。 それで選挙に行くのが老人ばかりだからって、老人に焦点を絞って年金問題ばかりを語るわけですね。それが若者の政治離れに拍車をかける悪循環ですね。 大義 やっぱり政治家が現実的な事しか言わないからね。あと、アメリカについて言うと日本の政治家や言論人の中で「アメリカに付いて行けばオッケー」って言っているのがいるけど、確かにアメリカは現在世界一強いけど、これからもずっとそうであるとは限らないでしょ。 それにも関わらず、米軍と自衛隊の統合・一体化の流れがガチガチに固められようとしているじゃない。アメリカが強いうちはいいかもしれないけど、でも今世界で反米機運が高まっているでしょ。そことアメリカが戦争になったら、日本はアメリカと一緒に戦争するつもりなのかな? 聞き手 「アメリカに付いて行けばオッケー」って言う人がそこまで明確に考えているかと言えば怪しいですね。 大義 つまりは目先の中国が怖いから、北朝鮮が怖いからアメリカとくっついとこうって感じでね、くっついた結果、日本がアメリカの“駒”とされてしまっている今の現状があるわけだよ。 アメリカとガチガチに結び付いてしまって、日本が本来持つべき外交の柔軟性を失っているんじゃないかな。 聞き手 そしてそういった問題に触れるのが、いわゆるサヨクとされる人々ばかりで、本来、本当に日本の事を考えるべき立場の人間から、日本の対米外交についての問題提起があまりなされていない。それが問題だと。 大義 さらに今後の日本は、このまま小泉路線が続いていくと、ますます「勝ち組」と「負け組」に社会が分化されて、中流社会が全滅していくわけじゃない。地方の現状なんかやばいよ。郊外には大型スーパーができてね。実は俺もそんなとこ大好きなんだけど。(笑) でもその影で地元の商店街がドンドン潰れて行くんだ。しかもそんなスーパーは地元に金をあまり還流しないわけだ。雇っているのもアルバイトや契約社員ばっかりだしね。このままじゃ地方が痩せ衰えて、都市とますます格差が開いていくよ。 だからそうした諸々の格差を解消することが、日本って共同体の復活の重要な足がかりになるんじゃないかな。 聞き手 なるほど、今日はどうもありがとうございました。 応援のクリックをお願いします!
by shikisima594
| 2006-10-03 00:25
| 対談・座談会
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