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警察による国民移動監視システム
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「オービス」と呼ばれる自動速度取締り機(写真1)が路上に設置されていて、速度超過の違反車両と運転手を自動的に撮影していることは、車を運転される方なら大体ご存知なのではないでしょうか。しかし、この他にも路上には、国民移動監視システムとして「Nシステム」という盗撮・監視カメラが数多く存在していることはあまり知られていないのが現状です。今回はこのNシステムについて少し考えてみたいと思います。

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「Nシステム」(写真2)とは「自動車ナンバー自動読取装置」の通称であり、その名のとおり通過する全て自動車を強力赤外線ストロボと高解像度デジタルカメラで撮影し、ナンバーを読み取り照会・保存するシステムです。このシステムは警察の刑事局の管轄であり、盗難車両や手配車両の発見に使用するとされています。

しかし、これまでの設置箇所や運用成果から見れば警備・公安にかなり利用されているのは明らかです。具体的には、成田空港、軍事施設、オウム教団施設、過激派拠点などの周辺から優先的に設置されたことや、オウムの車両に対する検問・職務質問に利用されたことなど、数多くの事実が指摘されています。また、肝心のNシステムの設置数増加に伴う盗難車両の検挙率向上も見られません。監視対象が監視対象だけに惑わされてしまいそうですが、思想や信仰の自由を保障された我が国において、警備公安による監視システムが全国各地にあるというだけでも大変な問題なのではないでしょうか。

さらに、Nシステムは1基1億円とも推定されるほど高額なシステムであるにもかかわらず、莫大な税金を投じ全国約1900箇所(セルスター工業製の最新レーダー探知機に基づく)にも及んで設置されています。ところが、設置箇所、運用基準、予算、機能など様々な情報について警察は公表しておらず実態がわからないのが現状です。これでは、警察による国民移動監視システムの是非を問う以前の問題です。

また、このシステムを運用している警察の体質も気になるところです。愛知や香川などのNシステムの情報流出、私的な理由から捜査情報照会、警察OBの経営する興信所へ情報を流すなどの不祥事が相次いでいます。

国民の莫大な税金を使い、国民の車と顔を盗撮しているのですから、警察には国民への説明責任があります。「捜査上の機密」「捜査上必要」などという理由付けがしばしばなされますが、Nシステムの価格や製造企業すら公表しないのは警察の奢りであり横暴といえます。

私達は通常に生活しているだけで「Nシステム」の他に、「Tシステム」「交差点監視カメラ」「繁華街監視カメラ」「ETC出口カメラ」などの無数のカメラに撮影されています。それらの設置目的や運営者を調べて見ると、思わぬ危険性が潜んでいるかもしれません。

生意気ネズミ

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by shikisima594 | 2007-05-29 23:40 | 随想・雑記
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